考えること
- tsuruta
- 2021年3月7日
- 読了時間: 3分
更新日:2021年3月31日
徹底的に考えることをしなければ、投資は成功しない。いや、とことん考えたら必ず成功するわけでもない。が、それをしなければレースのスタートラインにも立てないのだ。そういうものだ。無論、「勘と度胸」で一時的に成功したように見える人もいるだろうが、それでは継続した成功とはならない。
それでは、「考える」とは何ぞやである。まず、どうするのかであるが・・・。
まず、縦軸だ。時間を追って、短信、決算説明書、決算説明会、統合報告書、有価証券報告書などを見る。会社の周辺で起きたことを時系列に見る。これで、会社の「振舞い方」が見えてくる。それは絶対的な要件ではないが、何を気にして社外の関係者と渡り合おうとしているのかが見えてくる。中期計画などの軸の立て方や達成度を見る。
次に、横軸。空間的な分析である。経済の現状や技術の「今」を見てみる。そして、他社比較と業界の動きである。空間的な話であるが、鳥瞰的に会社を取り巻く周辺を大きな広角レンズで写真を撮るような気分である。
最後にミクロの分析。その会社の中をよく見る。役員の推移や組織の在り方など。いつも3つの視点で見てきた。縦・横・そのもの自体のミクロである。考えることとは、結局は「比較すること」と考える。
「縦」で見るとは歴史であろうし、過去との対比である。そして、「横」分析はその時点の空間を切り取り、その置かれた環境や同業他社を見る作業である。最後はその者が発する匂いであろう。「勢い」ともいえる。この3つを丹念に分析する。繰り返し、繰り返し、行うことが大切であろう。
ある時、講演の後で「不正を見つける訓練はどうしたら良いか」と聞かれた。
3つあると答えようとした。1つは修羅場を知ること。当たり前のことだが、経験の蓄積がものをいう。ただ単にその場の空気を吸ってのほほんと生きた人間と修羅場をくぐってきた人間ではモノを見る目の深さが違う。2つ目は時系列の分析である。これを勉強しておくと、確率の高い予想はつく。これは知識がものをいう。ただ、生きた知識であり。物知りということが重要ではない。3つ目は人間の持っている「勘」である。最後は、これに頼ることだ。意外に正しいことが多い。
だが、私は1つ目を講義の場では言わなかった。何故なら、修羅場など経験しない方が良いだろうと・・。今から考えると、余計なお世話であった。勝手にそういう場面にぶつかるし、勝手に切り抜けることであろう。そう後で思った。
投資の勉強とは違うが、変数が多く一般化できないことが多い場合は「勘」は、とても大切なのである。
まとめると「縦」「横」「ミクロ」と、人間の「勘」という順番であろうか。そういうものを頼りに分析を進めているのが昨今である。
宮古島の洞窟を見ながら考えた。

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